彼女こそ、救世主。人々が待ち望んだ、唯一の希望の星。
あっという間に群れを一掃し、聖女は最後のグスグリに迫る。
最後のあがきにグズグリが吐き出したブレスを、剣で軽く掃う。そうやって、じゃれる子猫をあしらうかのような気軽さでグズグリの懐に潜り込むと、聖女はむんずとグズグリの尾を掴む。
聖女は、ぶんぶんとグズグリを振り回した。
「これで終いじゃあーーーーーー!!!!」
聖女は叫び、ぱっと尾を掴んでいた手を離す。途端、最後のグズグリは遠い遠い、海の向こうに勢いよく吹き飛んで行った。
きらん、と。空の向こうに、グズグリが消える。
わっと、城が、聖堂が、爆発するように沸いた。