戦乱は苛烈を極めた。

 魔王軍の四天王のうち、すでに3人が別の戦いで人間に敗北をしている。そうは言っても未だアリギュラに仕える魔族は多い。

加えて、残る四天王は魔王軍一の知将と謳われるメリフェトスだ。全軍のうちでもメリフェトスの配下が最も統率が取れていると言われている。彼の下、魔王城の防御は鉄壁であった。

だが、その均衡がひとりの勇者によって破られる。聖剣を手に勇者カイバーンは駆け、立ちはだかるメリフェトス配下の魔族を悉く打ち破り、ついに魔王城への侵入を果たした。

 そうして勇者と魔王は、ついにぶつかり合った。
 
「はあぁぁぁぁあああ!!!!」

 両者が叫び、白と黒、二つの光が激突する。魔王アリギュラの手には、閃光を纏った魔剣ディルファング。勇者の手には聖剣ロスロリエン。二人の力は拮抗し、激しく剣と魔法がぶつかり合う。

 だが、次第に軍配は勇者に傾き出す。城内のあちこちで人族が勝利を収め、魔族の力の源である瘴気が少しずつ祓われてしまったのだ。