びりびりと空気が震え、人族の倍はあろうかという雄叫びが轟いた。

オークに巨人族、悪魔に獣人に吸血魔。その他、魔王アリギュラの下に集った無数の魔族たちが、王の呼びかけに答えて拳を振り上げたのだ。

 それが合図となった。武器がある者は武器を手に、そうでない者は自慢の鉤爪や牙で、両軍敵に襲いかかる。

人の世と魔族の世、ふたつの世界の長きに渡る争いの最終決戦の火蓋が、今この瞬間に切られたのだ。