「アリギュラ様が戸惑われるのも当然です。ご安心ください。このメリフェトス、順を追って説明させていただきましょう」
そう言って、魔王の一の腹心、メリフェトスは語り出す。この世界の創造主、女神クレイトスから知らされた真実について。
「まず、『おとゅめげえむ』ですが。それは、ここともまた異なる異界の地にて人間たちが興ずる娯楽、物語のようなものだそうです」
物語の主軸は恋愛。主人公と魅力的な異性との恋愛を描いた、主に人間の女どもに人気の娯楽なのだという。
「この世界も、そうした『おとゅめげえむ』の一つ。作品の大ファンである女神が、趣味と性癖を詰め込み再現した世界とのことです」
「おい、待て。『おとゅめげえむ』とは、人間の娯楽ではなかったのか? 女神もやるのか?」
「女神のもとには、多種多様の『おとゅめげえむ』が積まれていました」
「どんな女神だ!」