「いえ、メリ×アリでもいいんですけどぉ……。忠臣として想いを封じ込めちゃうメリさまの心を、アリギュラちゃんが無理矢理こじ開けちゃうのが尊いっていうか〜。なのにアリギュラちゃんが自分の気持ちには無自覚なのが、逆に美味しいっていうか〜!」

「頼むからわらわに分かる言葉で話せ。じゃないと、貴様のコレクションに『覇王の鉄槌』を落とすぞ」

 半目になって睨むアリギュラ。そんな彼女に、クレイトスは「アリギュラちゃんのイケズ〜」と唇を尖らせる。

 アリギュラがそこはかとなくイラッとしたそのとき、クレイトスが肩に落ちる三つ編みを揺らし、悪戯っぽくウィンクをした。

「つ〜ま〜り〜。アリギュラちゃんの、メリフェトスさまへの愛の、大勝利ってことですよ〜っ」

 アリギュラはしばし、ポカンと口を開けた。

 あい。アイ。愛。

(…………愛!?)

 ようやく頭の中で意味を掴めた途端、アリギュラはぽんっと顔を茹で上がらせてわあわあと喚いた。

「お、おい、クソ女神! 何を勘違いしている!? わらわのこれは、愛なんかじゃないぞ!? そういうんじゃないんだぞ!?」

「あらあら、まあまあ〜。この後に及んで認めないだなんて、とってもお可愛いことっ♡」

「認めるとか認めないとかではなくてなぁ!!」

「じゃあね、アリギュラちゃん〜。末永く爆発するんだぞっ☆」

「話を聞けぇ!?」