腐っても世界の創造主だ。彼女は強い。確実に。
最悪、自分もここで終わりかもしれない。そう、アリギュラが覚悟を固めたときだった。
「いいですよぉ〜。はいっ。メリフェトスさまの魂ですっ」
「うわっぷ!」
唐突に、クレイトスがにこりと笑う。差し出すように広げた彼女の指先から、蛍のような光がふわりとアリギュラへと飛んできた。
突然の目の前に飛んできた『魂』を、アリギュラはおっかなびっくり受け止める。手のひらの間に収まったソレは、ほんのりと温かい。
目を丸くして、アリギュラは半信半疑にクレイトスを見る。すると、クレイトスは両手で頬を覆って、もじもじと体を揺らし始めた。
「やだやだ~っ。こんなにあっさり返すのか!?なんて、野暮なツッコミなしですよぉ?」
「い、いや! だって、おぬし……」
「仕方ないじゃないですかあ。私、アリ×メリに目覚めちゃったんですもの~!」
「あり……なんて??」
再び呪文のような言葉を吐いたクレイトスに、アリギュラは戸惑う。けれどもそんなアリギュラを置き去りに、クレイトスは頬を染めて、そわそわと指を絡めた。