「勇者カイバーンめの光に呑まれた時はあわやと思いましたが……! 異なるお姿とはいえ、貴女様が無事に命を繋げられ、私は大変嬉しゅうございます!」

「おぬし何故それを!? ……いや。ちょっと待て」

 眉をひそめて、アリギュラは改めてイケメンをじっくりと観察した。

 ……髪型やモノクルなど、細かいところでは違う。けれどもまっすぐな青紫色の瞳や、そういえば結構な美形だった顔のつくり。それらが目立たなかったのは、顔の半分を覆い尽くしていた深緑の鱗のインパクトがすごかったからで。

「おぬし、まさかメリフェトスか!?」

「気づいていただけましたか、我が君!!!!」

 瞳を潤ませ、イケメンその四、もとい、魔王の腹心の部下メリフェトスが歓喜に声を震わせる。ばしりと、先程までとは比べ物にならない力の強さで己の胸を叩き、メリフェトスは高らかに告げた。