――『聖女』に与えられる部屋だろうか。ベッドや机など、広い室内には生活に必要なものが一通り揃っている。

 それらを眺めていると、ぱたんと、背後で扉が閉まった。

 途端、それまで恭しくアリギュラを案内していたイケメンその四が、ものすごい勢いで跪いてアリギュラの手を取った。

「あああアリギュラ様!! 我が君!! よくぞご無事で!!!!」

「は!?!?」

 ぎょっとして、アリギュラはとっさにイケメンを魔力で吹っ飛ばしそうになった。けれども踏みとどまったのは、イケメンが口早に次のようなことを続けたからだ。