(これが四天王の頂点、知将メリフェトスか……!)
ぞわりと肌が粟立つ心地がして、カイバーンは顔を引き攣らせた。
その間にも、ロスロリエンにはどんどんヒビが広がっていく。反して、ロスロリエンの力を吸うように、光の剣は輝きを増していった。
目を見開き、まるでとんでもない外道を見るかのような顔で、カイバーンは喚いた。
「何が、正々堂々だ! この悪魔が!!」
だが、それを聞いた途端、アリギュラとメリフェトスは同時ににやりと笑った。
「そうだ。我らは悪魔じゃ! 知らなかったか?」
「むしろ、お褒めいただきありがとう、とでも言うべきだな」
唖然とするカイバーンに、光の中で二人は叫ぶ。
「アーク・ゴルドより来たりし魔王アリギュラと!!」
「その臣下にして盟友、西の天メリフェトス!!」
「「貴様をここで、殲滅する!!!!」」
ガラスが割れるような音がして、光が弾けた。途端、ロスロリエンが勢いよく砕け散った。
アリギュラは叫んだ。たぶんメリフェトスも、カイバーンも、それぞれに叫んでいたに違いない。そうやって、何もかもが凄まじい光の傍流に飲まれたとき。
迷いのない、まっすぐな一太刀が振り下ろされた。