「私も、皆さんも。アリギュラ様が大好きなんです。友達として、あなたと一緒に戦わせてください」

 アリギュラは目を見開く。そしてキャロラインから順に、彼らに視線を移した。

 エルノア国第一王子、ジーク。ジークの騎士、アラン。同じくジーク付の侍従、ルリアン。第二王子のルーカス。王宮魔術師、クリス。そして、異界の悪役令嬢、キャロライン。

 初めは皆、どうでもよかった。異界の人間どもなど勝手に滅べばいいと思ったし、深かろうが浅かろうが、関わるなどまっぴらごめんだと思っていた。

 けれども、いつの日からだろう。彼らにも、この世界にも、ほんの少しだけ愛着が芽生えてきた。彼らのために命を投げ出すかと聞かれれば、うんとは頷けない。しかし、目の前で傷つかれるのはごめんだと思うほどには、好ましく思っている。

(なるほど、そういうことか)

 ふっと笑って、アリギュラは目を細めた。

(ここは第二の、我が故郷だ)

 口元に笑みを浮かべつつ、アリギュラはつんとそっぽを向いた。