「ほら、キャシー。こっちにおいで。私の隣が空いているよ」

 ヒーロー的な意味でアリギュラに憧れつつ、なんとか婚約者(キャロライン)の心を取り戻したくて四苦八苦するジーク王子と。

「私、今日はアリギュラ様のお隣に座りますわっ」

 ジーク王子を軽やかにあしらい、大好きな親友(アリギュラ)にぎゅむぎゅむとくっつくキャロライン。

「ぷ、くく! 兄上ったら、まったくもって無様なことですね……!」

 婚約者に振られてしょげる(ジーク)を、嬉しそうに指さしてあざ笑うルーカス王子に。

「うっわ。ルーカス様、今日も性悪具合が絶好調なんだけど」

 第二王子(ルーカス)にドン引きするするものの、この中でおそらく二番目に性悪と思われる侍従ルリアン。

「そういや俺たちって、あまり話したことなかったよね。いったい、どんな心境の変化があったのかな」

 滅多にこういう場に顔を出さないクリスに、興味津々で身を乗り出す騎士アランと。

「あ……いや……。僕は、その、深い意味はない、というか……」

 根明の空気がぷんぷん漂うアランに、たじたじになって縮こまる魔術師クリス。