「ルリアンの言う通りだ。レディをこんなに長く立たせたままだなんて、私はジェントル失格だね」
「ごめんね、子猫ちゃん。よかったら俺が、君を部屋まで運ぼうか?」
「ほんっとアランってば、女の子と見ればすぐ口説く。まあ、けど、手を繋ぐくらいなら正解かも。また逃げられても困るし」
「さあ」
「さあ」
「さあ!!」
(ひ、ひぃぃ……!?)
イケメン三人に詰め寄られ、アリギュラは心の中で悲鳴を上げた。
視界がキラッキラしている。キラッキラしすぎてもはや眩しい。アリギュラはこれまでも人間に囲まれたことがあるが、すべて戦場でのこと。殺意マックスに剣をぶん回す相手と対峙するのと、謎のイケメン三銃士ににっこにこ笑顔で迫られるのとでは勝手が違いすぎる。