「うむ、良かろう。交渉成立じゃ」

「せ、聖女様……!」

「じゃが」

 歓喜にむせぼうとしたヘレナたちの声を、ホールの天井を駆け抜ける稲光の音が遮る。再び悲鳴を上げる三人の子悪党たちに、アリギュラは冷徹に告げた。

「わらわは常に貴様らを見ている。そのことを、ゆめゆめ忘れるでないぞ」