(…………は?)
ぎょっとして、アリギュラは目を見開いた。いまの会話のどこに、赤面する要素があったというのだ。
(まさか、本当にほかの連中に嫉妬を……?)
一瞬、そんな考えが頭をよぎる。途端、アリギュラはぽんっと顔が熱くなるのを感じた。
い、いや、まさか。ありえない。アリギュラは慌てて、瞬間的に浮かんでしまった可能性を頭から締め出そうとする。
メリフェトスとは長い付き合いだ。よき相談相手にして、よき相棒。よき臣下にして、よき親友。少なくともアリギュラは彼をそう思っているし、向こうも同じだろう。その関係が、いまさら揺らぐわけがない。
たしかに、こちらの世界に来てからは、1日に数度口付けを交わす仲にはなった。だが、彼はあくまで、ほかの攻略対象者から自分を守るために、聖女のパートナーになったのだ。その証拠に、聖女のキスを交わすときの彼はいつも淡々としていて、憎たらしいほどに作業じみている。
だから、アリギュラが誰に恋慕しようと、メリフェトスが嫉妬を覚えるはずなんかない。そんなこと、天地がひっくり返っても起こるわけが……。
ぎょっとして、アリギュラは目を見開いた。いまの会話のどこに、赤面する要素があったというのだ。
(まさか、本当にほかの連中に嫉妬を……?)
一瞬、そんな考えが頭をよぎる。途端、アリギュラはぽんっと顔が熱くなるのを感じた。
い、いや、まさか。ありえない。アリギュラは慌てて、瞬間的に浮かんでしまった可能性を頭から締め出そうとする。
メリフェトスとは長い付き合いだ。よき相談相手にして、よき相棒。よき臣下にして、よき親友。少なくともアリギュラは彼をそう思っているし、向こうも同じだろう。その関係が、いまさら揺らぐわけがない。
たしかに、こちらの世界に来てからは、1日に数度口付けを交わす仲にはなった。だが、彼はあくまで、ほかの攻略対象者から自分を守るために、聖女のパートナーになったのだ。その証拠に、聖女のキスを交わすときの彼はいつも淡々としていて、憎たらしいほどに作業じみている。
だから、アリギュラが誰に恋慕しようと、メリフェトスが嫉妬を覚えるはずなんかない。そんなこと、天地がひっくり返っても起こるわけが……。