(ああ、くそっ!)

 がばりと頭を抱え、メリフェトスは背中を丸める。そして、煩悩を断ち切ろうとするかのように、ぐしゃぐしゃと己の髪をかきむしった。

(なんだって、我が君はあんなに可愛いんだ――――っ)

 ……それこそが、軍師メリフェトスを惑わせる悩みであった。