「で、そのゆうりちゃんってどんな子なの?」

再び始まる静かな時間

また私やっちゃった?

「よく聞きな、そいつは男だよ」

「えー!!」

なんか女の子っぽい名前だったから…

「ごめんなさい、北野くん」

私は目の前にはいない子に謝った。

「よかったねー、本人の前じゃなくて」

「うん」

…!!

突然、周りが一段と騒がしくなった。

「あ、きたね」

き、きたって…?

「北野悠里のこと」

そ、そうなんだ

その人はがくるだけでこんなに悲鳴が上がる

んだ、よほどすごい人なんだろうな。

徐々にざわめきが大きくなる。