俺が先生から愛されてるって? 身体がむずがゆくなり、俯いて頭をガシガシかき混ぜた。西さんは楽しそうに笑っている。今日はいつもより機嫌がいいみたいで、声のトーンも明るい。


 「西さん、教室楽しかった?」


 頭を勢いよく上げると、上の服を脱いだ、下着姿の西さんがいた。


 「だぁぁから!! 脱ぐときは言って!!!」


 レースのついた淡いピンクの……いやいや、俺、一瞬で見すぎだろ。


 「あはは、ごめんごめん」


 全く反省するそぶりを見せない西さんが、唸りながら、さっきの質問に答えようと懸命に考えていた。

 俺は俯いたまま、じっとしている。


 「楽しかったけど、もっと葵くんと話したかった」


 超巨大な爆弾が投下された。あまりの出来事に脳が処理できなくなってフリーズする。



 俺と、話したかったって。


 「なんか、寂しかったんだよね。なんでかはわかんないけど」


 クソ。

 下を向いているせいで、いま西さんがどんな顔してるかがわからない。

 俺だって、今日一日変な気持ちだった。

 西さんと栗ちゃんで妄想して、栗ちゃんにあたって……。

 あ、そうか。

 俺、寂しかったのか。