「なぁ栗ちゃん、どうするべきだと思う?」

 「……ちょっと考えてやるよ」


 1限の始まりを告げるチャイムとともに、栗ちゃんが前を向く。

 その手にはシャープペンシル。彼が授業中めったに持たない道具のひとつ。

 その手は授業中もせわしなく動いていて、授業が終わってから見せてもらったノートにはたくさんの解決策が書いてあった。


 「放課後、オレ今日部活ないから、これ見ながら作戦会議な」