☆千柳side☆
理事長室で
雪那に無理やりキスをした日から、
4日が過ぎた。
昼間は
学園のことは学園長に任せて
京見グループが運営する遊園地の、
お化け屋敷の
リニューアルの仕事を進め。
夜は、頭を空っぽにしたくて
歌やダンスのレッスン漬け。
氷牙のマンションに帰り、
棒のように布団に倒れ込む日々。
逃げ。
間違いなく俺は、雪那から逃げている。
雪那に会うのが、震えるほど怖いから。
雪那を理事長室に閉じ込めて。
無理矢理キスをして。
泣かせて。
あげくの果てに、
子供の頃からの約束を忘れたことを思い出すと。
後悔と情けなさに襲われ、
体の震えが止まらなくなる。
大好きな雪那を傷つけた。
謝らなきゃ。一刻も早く。
そんなこと
頭ではわかっているのに……
涙を流す雪那を思い出すだけで
痺れたように
体が言うことを聞かなくなって。
乱れた脈が、気持ち悪いくらい
俺の体を揺すってくる。