「天音、教えてよ。
 雪那はどんな風に変わったの?」


 俺の問いに、
 天音の目じりがさらに下がった。


 
「夕飯何が食べたい?って僕が聞いたらね、
『ハンバーガーを食べてみたい』って
 即答したんだよ」



 雪那って、ファーストフード店に
 行ったことかないからね。


 残念だけど、
 一緒にお店に食べに行くことはできないし。

 今度、買って帰ってあげようかな。




「それで?それで?」


 どんな些細な事でもいいから
 雪那のことを俺に教えてよ!




「どんな服を着たいって聞いたら、
 なんて答えたと思う?」


「ワンピース? それか、
 心美ちゃんがデザインしたドレスとか?」


 自分で言った直後、
 ドレス姿の雪那が俺の脳に浮かび上がった。



 雪那なら、何色のドレスを着ても
 絶対に似合うけれど。


 パステル系の淡いドレスを着てくれたら、
 俺、『かわいい』の連呼が
 止まらなくなるかも。




「せっちゃんはね、
 スカジャンを着てみたいんだって」



 スカジャン?
 予想外過ぎ。