万里先輩の紫髪が、夕日で優しさを増し。

 秋の冷たさを含んだ風でサラサラ揺れた。




 心が綺麗なのがはっきりとわかる
 万里先輩の澄んだ瞳に引き込まれ
 
 視線を外すことができない。




「ガキの相手、マジで大変でさ……
 雪那にも手伝って欲しくて……」



 夕日のせい?

 
 万里先輩の頬が、急に赤く色づいた。




 つられるように、
 私の頬も熱を帯びてしまう。




「私で……良ければ……」



 恥ずかしくなり
 うつむきながら答えた私に。




「オマエが……いい……」



 弱々しい声が返ってきたけれど。



 どんな言葉を返せばいいか
 わからなくて。



 しばらくの間

 私も万里先輩も
 ただただ、その場に立ちつくしていた。