「俺が頑張れるのは
 雪那(せつな)がいてくれるからだよ。
 ありがとう」



 私の部屋にこだまする
 ハチミツみたいに甘い癒し声。



「雪那がいてくれないと。
 俺、ダメになっちゃうからね」



 後ろから
 ふんわりと抱きしめられ。

 背中から伝わる彼の温もりが
 私の頬の熱まで上げていく。





「私は……
 千柳(せんりゅう)様専属のメイドとして
 当たり前のことをしているだけで……」


「雪那は
 メイドなんかじゃないでしょ?」


「えっ?」



「俺専用の……抱き枕……」