ひとしきり自問を繰り返した後、今度はこれからどうしようという不安が芽生え始めた。

少し落ち着いて考えてみた。僕のこの体の心臓は動いていて、生きている。でも、周りの景色は見覚えのないものだし、僕のよく知る日本ではない。つまりこれは、ラノベでよくある異世界転生ってやつなんじゃないだろうか。

「異世界だったら、日本の常識とか通用しないよね……」

まだ大人の姿なら何とか職を探せたかもしれない。でも今の僕は幼児だ。悪い人に捕まったら売り飛ばされてしまうかもしれない。

そんな不安が募る中、肩に優しく手が置かれる。驚いた僕は「うわぁ!」と声を出してしまった。

「あっ、ごめん。驚かせるつもりはなかったんだけど、声をかけても気付いてなかったみたいだったから」

そう僕に言ってニコリと笑いかけてくれたのは、さっきまで遊んでいた白髪に黄色の目の男の子だった。僕に目線を合わせてくれている。

「俺、リオン。八歳で街にある学校に通ってるんだ。君は?」