「どういうこと？僕は死んだはずじゃ……」

混乱する僕の耳に、数人の声が聞こえてくる。森の奥からだ。ここがどこなのか、その人たちに聞こう。

僕は声のする方に向かって走る。しかし、駆け出した足はすぐにもつれて転んでしまう。頭がやけに普段より重たいせいだ。

「何なんだ、この体！自分が自分じゃないみたい」

僕はうまくいかない苛立ちを声に出しながら、声のする方へと進んでいく。賑やかな声はだんだんと近づいてきた。

木の陰から僕はそっと顔を出す。すると、まだ小学校低学年ほどの男の子数人が集まって楽しそうに話をしていた。でもその男子たちの髪や瞳の色は、黄色や緑など色鮮やかで、どう見ても日本人じゃない。でも何故か話している言葉は日本語だ。

「次はボール遊びしよう！」

白髪に黄色の目をした男の子がそう言い、「わかった！ボールをうまく操れなかったら罰ゲームな」と残りの男の子が言う。白髪に黄色の目の男の子は、細い木の棒のようなものを取り出した。何をするつもりなんだろう。