ひどい時には何年も発見されない場合もあるんだって、とリオンに言われた時はゾッとした。だって、あんな孤独な世界で一人ぼっちだなんて気がおかしくなる。

「父さんの資料によると、俺たちの前に現れたあの怪物は物の怪と言って、人に害を加えるらしいんだ。何の目的があった物の怪が本の中に現れるのかわからないけど……」

僕の知らないところでそんなことが起きていたんだ……。全然知らなかった。

「助けに来てくれてありがとう」

僕を見つめ、リオンは笑顔で言ってくれる。僕は首を横に振る。心がとても温かい。

今はまだ知らない。僕たちがこれからどんどんこの事件と関わっていくことになるということを……。