一難……去った。

「京夜くん!背中……っ」

「ん?あぁ、あたっただけだ。それより、ケガはないか?千桜」

なん、で……。

なんでいつも、助けてくれるんだろ……。

ぼろっと涙が流れた。

「っ、千桜!?」

「っふぇ……うぅ……っ」

怖かった。

あの地獄のような日々を思い出して。

本当のことを言うのが、嫌で。

京夜くんが、ケガしちゃったと思って。

……怖かった。

「……ごめん」