「───ほ、しほ」
「あ、かり?」
「大丈夫?」
「うん、わたしは大丈夫。でも、日向が」
自分なんてどうだっていい。
日向が停学になるんじゃないか、退学になるんじゃないか、警察に連れていかれるんじゃないか、そっちのほうが怖い。
日向が消えてしまう気がして。
そう思ったらいてもたってもいられなくてわたしはまた走り出した。
「はあ、はあ」
「中村さん?」
「あ、草野くん、ねえ、なにがあったの?」
なにか証拠を、日向が悪くない証拠を、そう思って日向の教室まできた。
するとそこには同じ中学で日向とも仲良しだった草野くんがいた。