「なんであんた知ってんの?」 そういわれたときは本当に終わりだと思った。 「いや、なんとなーく?冷蔵庫にある食材で父さんの好きなものっていったらビーフシチューかなーと思ってさ。あはは」 このときも、笑ってごまかすしかないと必死だった。 「あらそう。志穂も手伝ってね」 「う、うん!もちろん!」 でも意外にあっさりと返されてほっとしたなあ。 もうへまはしないようにしなければとこのとき誓った。