「おはよう」
「え……なんでいるの?」
次の日、学校へ行こうと家を出ると碧斗がいた。
「なんでって、ゴミを捨てに行く美樹さんに会ったらどうすんだよ。
美樹さんに俺らが付き合ってるとこ見せつけないと」
「あぁ、そうだね」
二人並んで歩きだす。
気まずい……
小さい頃は何も考えず、毎日一緒に遊んでたのにな。
いきなり碧斗の足が止まった。
「なぁ瑠奈……手、繋いでもいい?」
「て…手?」
「うん。ほら」
碧斗が小さく指さした先には、ゴミ袋を持った美樹さんがいる。
カレカノ見せつけ大チャンスだ。
「……わかった」
途端、左手が大きな手に包まれる。
私は思わず横を見た。
「ん?どした」
「なんでもない」
碧斗の手って、こんなに大きかったっけ。
てか、こんなに背高かったっけ。
なんだか顔が熱くなってきた気がする。
いや、これはフリだから。
美樹さんのためだから。
浮かれるな。