「えっ!今日フレンチトーストじゃん。
お父さんどうしたの?」


テーブルの上には、私の大好きなフレンチトーストがたくさん。

ふんわりと甘い匂いが辺りに漂う。



「ほら、今日舞の入学式だからさ」


「それでわざわざ?ありがとう」





そう。今日は私の入学式。


憧れの海山高校生活の、記念すべき一日目なのだ。





「舞、わかってると思うが、絶対にメガネかけていくんだぞ」

「うん」

「あのことは絶対誰にも言うなよ」

「わかってるよ」

「それから......」


まだまだ何か言いたそうなお父さん。



「大丈夫。私、絶対にばれないようにするから」



その言葉に安心したのか、お父さんは静かにフレンチトーストを食べ始めた。