ガタゴトと揺れる電車の中、心地良くて、ついうとうとしてしまう。
「おい瑠奈ー。あとちょっとで家なんだから寝るなよ」
「うん。頑張る」
そう言いながらも瞼はどんどん重たくなっていった。
碧斗と二人の帰り道。
「俺と、付き合ってください」
これは……ちょうど一ヶ月前、碧斗が私にカレカノのフリを頼んできた時だ。
告白じゃない。そう頭ではわかっているけど、珍しくこれは夢だと認識していたことも手伝って、つい口が滑った。
いや、本当はただただ打ち明けたかったのかもしれない。
「私も碧斗が好き」
口にした途端、顔がどんどん熱くなる。
それでも嘘じゃない。冗談じゃない。
そういう想いを込めて、真っ直ぐ碧斗の目を見た。
透き通った目に吸い込まれるように、私の体はフワフワとしていく。
いつのまにか、深い眠りについていた。