―― 人をいじめることでしか承認欲求を満たせなくてカワイソーだね。お前らみたいなのがいるから世界は理不尽になっていくんだよ。ざまあみろ。はやく、死ね。




「…ううん、わたしも、これで良かったって思う」




星原くんの心の底から出た憎悪だった。ああいうのがいるから世界は歪んでいく。

本当に、私もそう思うのだ。

早く死ね、消えてしまえ、ぶっ壊れろ。
まあ、死んでもわたしたちは責任を取らないけど。




どうせ正解なんてないのだ。わたしと星原くんにとっての正解は、あのクラスにとっては不正解に値する。


この世は理不尽でできている。
悲しいほどに、わたしはそれを知っていた。




「おれら、明日から噂になるよ ぜったい」

「あー…そうだよね、ごめん」

「なんで謝んの?」

「わたしなんかをかばったから。星原くん、今まで面倒ごとにならないように頑張ってきてたのに」