「わたしは人に迷惑をかけることをするつもりはない。卒業には支障がないと思ったからわたしは意思をもってサボったし、星原くんも自分の意思でわたしと一緒にくれただけなので、……そういう風にくだらないことにしか結び付けられないようなあなたたちの空っぽな脳内と一緒にされるのは、すごく不快なの」




わたしはあなたたちとは違う。
軽々しく一緒にしないでほしい。



わたしが言い返してくるなんて想像もしていなかったのか、山岸さんは顔を真っ赤にして震えていた。

怒りゆえか、言葉が詰まって出てこないみたいだ。まるで般若のような形相。ぎりぎりと歯を食いしばり、手を握りしめている。



普段はあんなに威勢がいいくせに、見下していたやつからすこし口答えされただけで動揺するのかと思ったら、なんだか滑稽ですこし笑えた。





「っ、はぁ!?あんたなめてんの!?」

「…思っていたことを言っただけだけど」




わたしはもともと、彼女たちに屈したつもりはなかった。毎日の嫌がらせだって、着替えを持ち歩いたり片づけをしたりするのが面倒くさいというだけで、苦ではなかった。彼女たちのくだらない嫉妬心に興味はない。



彼女たちは頭の中がお花畑だから、言い返しても無駄だと思った。それは、過去も今も変わらない。




「わたしは、山岸さんたちが怖くて何も言わなかったんじゃない。言い返したところで感情的になられて下手に怪我したくないと思ってたからだよ。『バカなんだなぁ、毎日暇なんだなぁ』って、今もそう思ってる」




───本当、このせかいには馬鹿ばっかりがいる。