チュンチュンと外からスズメの鳴き声と
目覚まし時計のアラームと共に重たい体を
起こした。
昨日は色々な事ありすぎてあまり深い眠りにつけなくて結局眠りについたのは夜12時過ぎていた。
2週間前と昨日の事で私の頭の中には
吉川颯太君の事ばかりになっていた。
昨日、爽やかな笑顔で私の名前を呼んでいた彼。
2週間前、私の結んでる髪をおろしそのまま髪を優しく持っていた彼。
一体なんだろう…。
吉川颯太君は何がしたいのだろう。
私の頭に染みついて昨日の夜はフラッシュバックしてなかなか寝付けなかった。
はぁ…。

「とりあえず学校行く支度しよ。」

私はパジャマを脱ぎハンガーに掛けている
制服に手を伸ばしたと同時に勢いよく
私の部屋の扉が開いた。



「雫起きろ!」
「学校間に合わなくなるぞっ!」
「美桜もっ…!!」



「にっ!兄ちゃん!?」


「ごっ!ごめん!」
「まさか起きて着替えてる途中って」
「知らなくて!」
「とりあえず下で待ってる!」

バタン!
俺は急いで下のリビングに降りた。
やばい!やばいやばい!
なんなんだよ!普段あの時間まで
寝てるくせに。
いつも俺が起こさないと起きないくせに。
先程の雫の姿が目に焼き付く…。
ゆるふわのロングヘアからチラつく
白い肌の肩や腕。
そして、淡いピンク色の花柄の下着が
繊細に映る。
朝からダメだろ!
なにやってんだ俺…ノックすれば良かったと後悔。
心臓がバクバクと脈打つ。
今日俺…雫とまともに接せるか不安だ。
そして俺はリビングのドアを開ける。


「優馬おはよう。」
「朝ごはんできてるわよ。」




「母さんおはよう。」


「雫起こしてくれた?」
「あの子もうちょっと早く起きれないの」
「かしらね優馬。」



「し…雫もう起きてた。」



「あら!珍しい!」
「今日晴れだけど雨降るんじゃない?」
「あれ?優馬?もしかして体調悪い?」


「えっ!?」



「だって優馬顔赤いわよ?」




「だっ!大丈夫!」
「ちょっと暑いだけだ。」



「もう10月なのに?」



「10月でも暑いのは暑いんだよ!」

俺は意味不明な言い訳をしていた。
今日はマジでダメかもしれない。
冷静でいれるかもわかんない。


「ママ、兄ちゃんおはよう。」

私は支度を終えリビングに降りてきた。
後は洗面所で顔洗って歯磨きをするだけで
ある。


「おはよ雫」
「朝ごはんできてるから早く」
「顔洗って歯磨きしてらっしゃい」

私はママに言われるがまま洗面所に
向かい、歯磨きと顔洗って戻ってきた。



「兄ちゃん、今日顔赤くない?」

私は朝ごはん食べながら、対面にいる
朝ごはん食べ終わってる兄ちゃんに話しかけた。



「誰のせいだと思ってんだよ…。」

俺は雫に聞こえないくらいの小声でそう呟いた。

「今日なんだか暑くてな。」
「まぁ、気にしなくて大丈夫だ。」


「兄ちゃんが大丈夫って言うなら」
「大丈夫だろうけど無理しないでね。」


「ああ。」