「聞かせてください。僕はあなたの涙にうぬぼれてしまいます」

私は優雅の首筋に鼻先をつけて、叫ぶように言った。

「好きよ、優雅! こんなに好きにさせて、どうするつもりよ」

涙が止まらない。優雅のために、KODOから解放しようと思ったのに、全部台無しだ。

「ずっと意地張って生きてきたヒールにねえ、あんなに優しくしちゃ駄目じゃない。甘やかして守って、大事にして……。私みたいな女、すぐに寄りかかりたくなっちゃうんだから。やり口が汚いわよ!」
「僕もあなたに好かれようと必死でしたので。許してください」

優雅の唇が私の頬に落とされる。顔を上げたら唇同士が重なった。
キスはすぐに互いを求める激しいものに変わる。

「愛菜さん……」

優雅も私も息が弾んでいる。視線が甘やかに絡む。優雅の余裕ない表情にぞくりと身体が震えた。

「『許して』いただけますか?」

その意味がわからないほど、子どもじゃなかった。そして、私もまた望んでいる。

「許します」

優雅が私の唇を奪う。そのまま背を抱かれ、私たちはソファに沈んだ。