『まず、私は勤務外で見ると言ったわよ。それなのに、どうしてこのタイミングで渡してきたの? 業務中にこの企画をやっていたの? あなたには優先すべき仕事があるでしょう』
私は泣き崩れる彼女に厳然と言った。腕を組み仁王立ちをして。思えば、私もそれなりに苛立っていたのだろう。
『内容については、個人的主観に偏り過ぎてるわ。小学生の『ぼくの夢』みたいな作文はやめなさい。企画書の書き方やフォーマットは、見本になるものをいくつも渡しているけれど、一度も見ていないのね。五回目にして』
私の厳しい声と床に座り込んで泣き崩れる栗原りりかの声に、周囲には同じフロアの営業チームの面々が集まって人垣のようになっている。キャットファイトを見に来たっていうのかしら。
私は業務上の指導をしているだけだけどね!
『古道さんはっ! 最初から、私の! ……企画なんて通す気ないじゃないですかあっ! いつもいつもっ、すごくきつい言い方するし、私を辞めさせたいんだなって、おもって……私ずっと辛くて、ううう』
『指導に私情を挟んだ覚えはないわ。私が私情を挟んでいたら、あなた半年前には辞めてるわよ』
苛立ちから、はっきりと言ってやる。これでも我慢して私情を殺してるんですけれど。
『社員として当たり前の指導をして、パワハラだと言われるなら、私は指導係を降りるわ。好きにすればいい』
『小林さんとのこともっ!』
突如、話が変わった。んん? 小林くんの名前がなんで出てくるの?
『小林さんに色目使ってるじゃないですかっ! 立場を利用して、ひどい! 小林さんすごくこまってますよ!』
『はあ?』
私は泣き崩れる彼女に厳然と言った。腕を組み仁王立ちをして。思えば、私もそれなりに苛立っていたのだろう。
『内容については、個人的主観に偏り過ぎてるわ。小学生の『ぼくの夢』みたいな作文はやめなさい。企画書の書き方やフォーマットは、見本になるものをいくつも渡しているけれど、一度も見ていないのね。五回目にして』
私の厳しい声と床に座り込んで泣き崩れる栗原りりかの声に、周囲には同じフロアの営業チームの面々が集まって人垣のようになっている。キャットファイトを見に来たっていうのかしら。
私は業務上の指導をしているだけだけどね!
『古道さんはっ! 最初から、私の! ……企画なんて通す気ないじゃないですかあっ! いつもいつもっ、すごくきつい言い方するし、私を辞めさせたいんだなって、おもって……私ずっと辛くて、ううう』
『指導に私情を挟んだ覚えはないわ。私が私情を挟んでいたら、あなた半年前には辞めてるわよ』
苛立ちから、はっきりと言ってやる。これでも我慢して私情を殺してるんですけれど。
『社員として当たり前の指導をして、パワハラだと言われるなら、私は指導係を降りるわ。好きにすればいい』
『小林さんとのこともっ!』
突如、話が変わった。んん? 小林くんの名前がなんで出てくるの?
『小林さんに色目使ってるじゃないですかっ! 立場を利用して、ひどい! 小林さんすごくこまってますよ!』
『はあ?』