「ほ、本当に悪魔と契約したら、私たちの願いは叶うのかしら」


「怖気づいたのか?まさか、シュナトリアの俺への気持ちがそんなもんだったとはね」


「ば、バカ言わないでよ!私は本気で貴方と結ばれるために……」


「それなら黙って進むだけだ」






恐怖にすくむ足を必死に奮い立たせながら、二人は奥へ奥へと進む。


そして、彼らは出逢うのだ。

長い爪に黒い肌、異形な姿の『悪魔』に。






【何の用だ、人間よ】


「きゃあ!本当に居たわ!悪魔!爪めっちゃ長いわよ!」


「………しっ、静かにしろっ。お前、そんな騒ぐと取って食われるぞっ」


「え、本当に?!んっ!黙る!私黙るわ!静かにしてるわ!!」


「それがうるさいってそろそろ気づけよな?ほら見ろよ、悪魔めっちゃ引いてるじゃん。なんか面倒臭そうな奴らきたって顔してるじゃん」


【……………べ、別にそんなことは思ってないぞ】