「ハーデルケル、みんなにバレずに抜け出せた?」
「俺を誰だと思ってる。天下のハーデルケルだぞ。俺が万一にもミスするようなことは絶対にない」
「あらそっ。それじゃあ今夜、決行するわよ」
「………心配なのはシュナトリア、お前の方だ。すぐドジをするお前が、本当に従者を撒けてこれてるのか……」
「わ、私だって従者くらい簡単に撒いてこれるわよ」
「………とりあえず先を急ぐぞ。俺たちには時間がない」
「そうね。早くしないと好きでもない男と結婚しなきゃいけなくなるわ」
「そんなのはごめんだね」
手を取り合って二人は向かう。
それは国境に位置するパーティー会場のお城から少し下ったところにあるという、真っ暗闇の中に隠された悪魔が棲まうと噂の洞窟。
蝙蝠がキィーキィーと鳴きながら飛び交い、一年中真冬のように冷たいそこを進んだ先に悪魔はいる。
「俺を誰だと思ってる。天下のハーデルケルだぞ。俺が万一にもミスするようなことは絶対にない」
「あらそっ。それじゃあ今夜、決行するわよ」
「………心配なのはシュナトリア、お前の方だ。すぐドジをするお前が、本当に従者を撒けてこれてるのか……」
「わ、私だって従者くらい簡単に撒いてこれるわよ」
「………とりあえず先を急ぐぞ。俺たちには時間がない」
「そうね。早くしないと好きでもない男と結婚しなきゃいけなくなるわ」
「そんなのはごめんだね」
手を取り合って二人は向かう。
それは国境に位置するパーティー会場のお城から少し下ったところにあるという、真っ暗闇の中に隠された悪魔が棲まうと噂の洞窟。
蝙蝠がキィーキィーと鳴きながら飛び交い、一年中真冬のように冷たいそこを進んだ先に悪魔はいる。