黎鳳に来たのは、榊暁が居るから。亮さんに繋がる近道だったから。
そしたら、あたしが記憶ないだけで暁とは知り合いだったし、御庄の人間が懸念してるのはそこじゃなかった。
じゃあどこなんだろうって。
今回で全部分かった。
誰が榛人を殺して、今亮さんを狙ってるのか。」
目を開いた御庄藍は、また強い殺気を出した。
女でも、いるんだな。
こんなに、近寄りたくない人間が。
「名雲碧か」
暁が聞けば、鋭い目で暁を見る御庄藍。
「暁、REIGNはもういらないよ」
ふわっと笑った。
「……は?」
「ああ、言い方が悪かったな。あたしは、ううん、俺はREIGNを辞める」
突然のこと過ぎて、言葉が出ない。
「どういうことだ」
三國も戸惑う。
「言葉のままだ。REIGNを辞める。」
「意味を聞いてるんだよ」
「意味?全員が俺のことを知ったからだよ」
ニコッと笑って首を傾げる。
不気味だった。
涙が流れた部分が乾く。
「俺に同情して泣いてくれたんだよね?重いなぁ、本当に重いよ」
「藍」
暁が怒りを押し殺す。