「俺は榛人が死んだ理由を知りたい。榛人を殺した人間が亮さんを狙うのなら、一緒に戦う。でも、大人たちは俺に隠す。その理由はきっと、俺が知ったらもっと危険度が増すんだと思う。でも俺は負けないから、教えて欲しいんだ。だからこそ、俺がどのぐらい強いか主張しなきゃいけないだろ?」
i の表情で俺たちを見る。
「強く生きなさい、藍。幸せになるか不幸になるかはあなた次第なの。
まりあちゃんが死ぬ数週間前に、ここで、この病室であたしに言った。
誰かのために強くなったなんて綺麗事は言わない。あたしはあたしが幸せになるために強くなった。あたしが幸せになるには、まず、親を大切に思う人たちを守る。あたしを大切に思う人たちを守る。その力が必要だと思った。
子供だからとか、女だからとか、お嬢様だからとか、そんなの関係ない。
あたしはあたしだから。」
目を瞑って自分に言い聞かせているようだった。
夕焼けに照らされる御庄藍は、鳥肌が立つほど綺麗だった。
「祖父である御庄漸と叔父である御庄利人に、黎鳳に入学する条件として男装して別人として入学することと、成績トップで入学することを出されてさ。それで今はここにいる。