「嫁と野田さんから話を全て聞かせてもらったよ。

あなたたちが借金をしていたこと、その返済のために会社の金を横領していたこと、俺と父を追い出すために不倫をでっちあげて会社を乗っ取ろうとしたこと、全部聞かせてもらったよ」

そう言った大国くんに、
「なっ…!?」

虎頭専務と寺島さんはわたしたちの方に視線を向けた。

「よくも裏切ってくれたな!?」

わたしに向かって怒鳴るように言った寺島さんに、
「裏切ったって何ですか!?

会社のお金を横領したうえに夫を陥れようとしたあなたたちに言われたくないです!」

わたしは何クソと言わんばかりに怒鳴り返した。

「悪いけど、あんたたちのことは全て記事にしてもらうよ」

野田さんはシャツのポケットから名刺を取り出すと、彼らに向かって投げるように渡した。