家事や育児は女の仕事とか家のことをやってくれて当たり前な考えが昔から世の中に出回っているのに、まさか心配されるとは思ってもみなかった。

と言うか、そんなことを思うくらいだったら仕事をしろよ。

「昨日みたいに外に出たい時とか家事をしたくない時だってある訳だし」

いや、作戦ですから。

あなたに愛想をつかせて離婚を言わせる作戦ですから。

「西尾さんがよかったらなんだけど、家政婦を雇うって言うのも1つの方法じゃないかと思うんだ」

「…えっ?」

大国くんの口から出てきた思わぬその言葉に、わたしは耳に手を当てて聞き返しそうになった。

わたしの聞き間違いじゃなかったら彼は“家政婦を雇う”と言ったはずだ。

何でそうなったんだ、おい。