「ごめん、買い物に行かなきゃって思ってたんだけど…えーっと、何時?」

わたしの質問に、
「8時13分」

大国くんは腕時計を見ると答えた。

「あー、もう閉まっちゃってるよね…」

そう返事をした後で、わたしはポンと手をたたいた。

「そうだ、カップラーメンをいくつか買い置きしてたんだわ。

今日の夕飯はそれでいいかしら?」

そう言ったわたしに、
「まあ、それでいいけど…別に嫌いじゃないし…」

大国くんは呟くように返事をした。

「よかった、助かった」

わたしはソファーから腰をあげた。

「先にお風呂に入る?

それとも、もう夕飯にする?」

そう聞いたわたしに大国くんはハッとした顔をすると、
「お、お風呂にするよ」
と、リビングを後にしたのだった。