届いた料理は予定通り仲良く半分こした。
『美味しいね』と言い合いながら食べるのはいつものことなのに、貴重な時間に感じて幸せを噛み締める。
「………」
食べている最中、折り畳まれたメニュー表とは別でラミネートされた期間限定料理を見る。
それは大ちゃんの好きなガパオライスが目立つように宣伝してあった。
(……あぁ…そっか…)
優柔不断な私と対照的に決断が早い大ちゃん。
私がメニューを決めるのを待ってくれた。2択に絞ったところで半分この提案。
お店に入ってきて一番最初に目に映るようにガパオライスのチラシも貼ってあったのに。
「……優しいよね、大ちゃんって。昔からずっと。」
幼馴染だから気づかないわけないじゃん。
「…なんかしたか? 俺」
トボけているのではなく、純粋に私に問う。
「今度はガパオライス食べにきたいね。」
「そうだな。」
私が迷っているから、私が食べたいものを選んで半分こしてくれた。そんな姿に、また一段と好きになってしまうから…。
もう一度、さっきと同じことを思う。
デートの効果って恐ろしい。