時刻は夜の19時過ぎ。今日の晩御飯も無事に作れた。
少し休憩がしたくてソファの上に座って、天井をぼんやりと眺める。
「…………」
スマホを見ると、明日の生徒会の活動に関しての連絡が一件。
(美鈴、遅いな。)
晩御飯どきになっても帰ってこない。
何か部活にでも入ったのだろうか。でも、だとしたら何か一言伝えてくれる気がする。
先に食べるなんていう選択肢は俺にはなかった。だっていつも美鈴がいて、部活が遅くない日は春太もいて。
誰かと一緒に食べるご飯は美味しいから。
「…………」
いや、自分勝手だ。
自己中心的な考え方だ。
一緒に食べたいなんて、どの口が言えるんだろう。
残酷に、突き離しておいて…。
どの口が言えるんだろう。
『…………大ちゃんが好き…』
頭から離れない告白の言葉。声の響き方とトーン。
美鈴の表情。
(振ったくせに…)
なんで俺が引きずってんだろう。
晩御飯の時間になっても連絡が来ないなんてこと、今までなかった。
変なことに巻き込まれてないと良いけど。
(大丈夫かな…?)
……考えていても埒(らち)があかない。
家事をしようと思い、大きな伸びをした。
(あ、ゴミ出し。)
明日は火曜日。可燃物の日。
先に溜まっていたゴミ袋でも出しに行こう。残りは明日の投稿の時に。
そう考えて、黄色いゴミ袋を持って玄関のドアを開けた。