鍵を鞄から取り出し家に入ると自室のベッドにダイブする、そのとき自分の匂いがツンと鼻を掠めた。



部屋に置いてある時計に目をやれば針は7時前を差していてお母さんが帰ってくるのは8時頃、まだ1時間ほどある。



夕飯…今日は私が作らないと。



お母さんの帰りが遅い日は私が夕飯を作るという決まりがあって、そのおかげと言うのだろうか?料理はできる方だと思ってる。



重い体をムクリと起こして今日の夕飯を作りにとりかかる。



1時間後、料理ができた頃玄関の鍵がガチャリと鳴った。



それはお母さんが帰ってきたことを知らせる。






「ただいま~」


『おかえり』


「あ、ビーフシチュー?」


『そ、着替えたらこれ運んで』






着替えたお母さんにビーフシチューが入った皿を1つ持たすとリビングにあるテーブルへと運ぶ。



私は私分のモノを持って。



お母さんと向かい合う形で座り服の前で手を合わすとやはり2つの声が「いただきます」と響く。