『甘いもの好きだったとは』
「意外ですか?」
『意外も意外、ちょー意外だね』
辛いものとか肉とかが大好物だと思ったから、なのにあんなもの頼んだから…。
『あのさ、話変わるけど言っていい?』
ん?と首を傾けた誠人にさっきから思っていたことを口にする。
『名前、誠実な人って書くのに全然誠実っぽくないよね』
「ストレートすぎて心臓痛いんですけど」
『思ったこと口にしただけ』
「いつもそうなんですか?」
『ううん、多分誠人にだけ』
「そんなこと言われたの沙夜先輩が初めてです」
『そう』
「面白いですね、先輩」
『…どこが』
ツボに入ったのか、面白可笑しく笑った彼にポっと顔を赤らめて立っている女性店員。