「先輩帰りましょう」




差し出された手、その手を迷うことなく握ると周りの女子が悲鳴を上げた。



鼓膜が破れる…。



すると誠人は、見せつけるかのように恋人繋ぎをしてきた。



そしてまた鼓膜が破れるんじゃないかってくらい悲鳴が上がった。



こ、こいつ慣れてる。

当たり前と言えば当たり前なんだけどね。


そして周りの子を煽らないで。





『ユカ』


「はいよ。バイバイ」


『また明日ね』





振り返ってサヨナラを言ったユカはどこかニヤニヤしていた気がする。



さすがにキモいよ?とも言えず前を向いて彼と学校の外へ出た。