『そんな欠伸するとモテないよ』
「はいは~い」
ご忠告ありがとう、と言って再び寝る体勢に入ったユカ。
どんだけ寝るのよ。
『あ、ねぇユカ』
口元に手を添え、身を乗り出して小声で彼女を呼ぶと気だるそうにモソっと起きた。
「なによ…」
『怒ってる…?』
「別に」
『怒ってるよね…?』
「……」
『ごめん』
「……」
『ごめん、て』
「しつこいあんたに今怒りそうだった。で何?」
『あ、実はね』
さっきよりも声を小さくしてユカの耳元で話す。
コソコソっと耳打ちすれば次の瞬間「はぁぁ?!」とユカの驚いた声が教室、いや廊下…隣の教室にも響いた。