それに…口調だってさっきとは違ってて…変わってて、そんな小さなことにドキンとした。



相手があぁ言ってくれたんだ。




『誠人』





さっきとトーンの変わらない声で彼の名前を口にする。



すると彼はバッとこっちを向いて、その素早さに笑いそうになった。



笑いをこらえて「また後でね」と微笑み付きでそう言うと再度教室へと踵を返した。





「あぁ、なるほど」




と呟いた北条誠人の声は私には届かなかった。











教室に入ると案の定教室の空気は最悪になった。


クラスメイトの目は「来たのかよ」「休みじゃなかったの?」と歓迎してるような目でないことは明らかだ。


はぁ…やっぱ来なきゃよかったかな?


盛大に溜め息が出る。


息が________苦しい。


息が________詰まる。